( néant )

消費期限切れの言葉たち

吐きたくなるほど愛されたい

のうのうと生きていたら

今年の梅雨もあっという間に過ぎてしまった。

 

雨の日は会いたい、晴れた日は君を想えない。ってくらいには

晴れよりも雨が好きなのだけど。

梅雨特有の湿度はやっぱり好きになれない。

晴れより雨が多く、湿度は隣り合わせな場所でずっと生きてきたけど

どうやっても慣れずにいる

 

ため息が縦横無尽に駆け巡ってるあいだに

ゆっくりではあるが不快指数が下がる季節へと向かっていて嬉しくなった

 

 

 

だけども、残念なことに

僕は夏も嫌いなので

早速、梅雨が明けた空の顔色に棘を指したくなっている。

 

 

夏をあやめたいと思うほど

日差しの攻撃力に敵意を剥き出してしまう

 

 

鋭い日差しを、浴びるほど

生気が失われてゆく気がするほどだ

 

 

梅雨の時期もため息は苛々に音色を変えたが

明けた後の空気にさえ素直に飲み込めず、弾けることができないでいる

 

 

いつになったら僕は深呼吸を美しく奏でられるのだろう

 

 

そんな事を考えながら睨み保ったまま

木陰から日差しによって照り尽くされた場所を眺めていたのだけど

 

 

その瞬間に、僕はすごく違和感を感じた。

それは、木陰から眺めている風景がこれ以上ないくらい平和の象徴に思えたからだ。

 

暑さから避難した木陰はまるで天国のようで

ぼーっと地獄を見ているつもりなのに

 

日の当たる場所と当たらない場所がはっきり分かれ

風で木々は揺れて涼を運んでくる

いやらしさが微塵もない空は文句一つも言えやしないほど青と白のコントラストが絶妙で

天国と地獄を往来して、結局天国なのかもしれないと思ってしまう

 

僕が太陽に当たりすぎて

若いと思っていたはずが体力がなくなっていて若干熱中症になっていただけかもしれないけども

 

その光景に和んでしまったのは確かだ

 

 

夏が嫌いだけども

夏がなければ、嬉しさ綻ぶ秋や冬も実は味気ないものかもしれない。

照り尽くす太陽がなければ、木陰で涼む時間も天国と思わないかもしれない。

 

 

人間はないものねだりが常だと思う

 

昔の僕が今の僕を見たら

なんて言うだろう?

これでもちょっとは変わったなと言うだろうか

 

 

かわったよ

まるく、まるく、まるくね

 

 

今日もいい天気だと思ってしまったから

昔の僕とはちがうんだ。

 

 

変わらず独りでも

いい天気だと思える

 

誰もいなくても

笑ってやり過ごせるくらい

 

 

強くなったよ

生きててよかった夜は未だに来ないし

探し続けているけどね