( néant )

消費期限切れの言葉たち

よく眠れる焚き火動画を流してまで寝たいとは思えなかった。

眠れない夜 君のせいだよ
さっき別れた ばかりなのに
耳たぶが for you
燃えている for you
やった やったよ ohh

はじめてのチュウ
君とチュウ
I will give you all my love

なせか優しい気持ちがいっぱい

はじめてのチュウ
君とチュウ
I will give you all my love
涙が出ちゃう 男のくせに
Be in love with you

 

 

 

合間に入る

ふふ、ふふふ、という照れた姿がたまらない

歌っているのはおじさんですが…

地声でもいい声な素敵なおじさま。

 

 

君のせいで眠れなかった夜が、

果たして僕にあったただろうかと考えてしまうほど久しくない気がする。

 

もちろん、眠れない夜ではなく

『君』という想い人に頭を掻き回されることがないということ。

 

眠れない夜に至っては毎夜である。

抗うつ剤を飲んでいるが、眠れるわけではないし

大体、寝てもすぐ目を覚ましてしまう。

遅くに寝ようが、早朝に目が覚める。

 

髪が薄くなったのと進行して、

生き急いだように30歳でおじいちゃんになりつつある。

 

おじいちゃんになるには、

余生で人生を振り返り鑑賞を嗜むほどの土産も撮れ高なさすぎてこのままだと手持ち無沙汰であるし穏やかに悟りも開けそうにない。

 

今、おじいちゃんになっても、

はじめてのチュウはどんな感じだっただろう。

ありゃ、わしゃ、チュウっちゅうもんを知らんのう。そないな響きも記憶もないのう。となってしまう。

 

はじめてのチュウってロマンチックだよね。

一番最初に、好きな人と結ばれたその瞬間。

きっと胸が壊れそうなほど躍り散らかして、

いつ?これ?こう?いま?あれ?どうなの?

ドキドキとモジモジな相まって重なってく

交わした途端、溶けてしまいそうな二人でって

いつしか、その瞬間を忘れてしまいがちだけど

その瞬間をいつまでも覚えていられる人が

きっと、好きな人に優しくできるのかもしれない

そんな綺麗じゃなくっても

優しい気持ちがいっぱいにはなると思うな

 

 

当たり前になってしまうことばかりな世の中で

当たり前と思わずに、心に留めておきながら

たまには、ゆっくり座って、ぼーっとしながら

一人思い返しては、はじめてチュウした瞬間に再び照れ笑いして、君をまた好きになれたりして

これからも、be in love with youなんて

 

(※5,6,7,年前ぐらいに別れてからずっと独りの残念なおじさんが語っています)

 

 

はじめてのチュウを、ずっとしていたいですね。

忘れないように、刻むように、君を愛さずにはいられないように。

 

 

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