( néant )

消費期限切れの言葉たち

くるりを好きな女の子 終焉

彼女がお茶に誘ったのは今日だった。

帰省する前に、結局会う事は取りやめになって、近況をざっくばらんに話した彼女は満足しただろう。

 

だけどやっぱり、僕にとっては

不完全燃焼でしかなくって

こういう展開なんて滅多にないことだし

もう機会がないかもしれないと思って

 

彼女に連絡したんだ。

やっぱり会おうよって

 

すきだったからとか

恋とか愛とかそんなことじゃなくって

 

こういう時だからこそ

たわいない話やタメにならない思い出話をしたりしたくてさ

 

それに、大袈裟かもしれないけど

未来はわからないだろう?

明日僕が死ぬかもしれないし

明日彼女が死ぬかもしれない

 

そんな非現実な事はみんな想像したか無いけど

それは必然で、防ぎようが無い。

 

会えるときに、会っておきたかった。

今日あって、今日話したことをさ

頭に入れなくていい、記憶に残す必要もない

ただ、会って顔をみて、話すことが大事だったんだ。

 

 

でも、会えなかったよ。

すげえ会いたかったんだけどなあ。

 

僕と彼女の熱量の違いが

言葉からひしひしと伝わって

すごく切なかったなあ。

 

きっとこっちの思いは

伝わってないし熱すぎたかなあとか考えてしまうけど。

 

彼女から連絡きて

ふと、思い出されただけで

たったそれだけで幸せで嬉しかったのに

人間ってやつは期待しちまってよ

小さな幸せを噛みしめて、

これでよかった、それだけでいいんだって

味わうつもりだったのに

 

もうこのガムに味はついてねえんだ

ただ、噛み続けるのも疲れてしまったよ

 

 

温度差は悲しいからやめようって

虚しくなる前に、心を遠くに収めたつもりだが

時すでに遅しで、虚空に飲み込まれた

 

 

まあ、いいんだけど。

まあ、いいんだけど。

 

 

あのときは、

ただ、なんとなく思い出されるだけで満足って書いたけど。

 

やっぱり、ちょっとくらい、

もうちょっとくらいは贅沢したいな

 

もうちょっと、あとすこしだけ

恋しく思われたいな

愛されてえなあ

 

 

そんな、

身の丈にあわない言葉出せないけど

 

 

置かれた場所で咲けばいい花があるなら

求めたい場所で枯れ散りゆく花もあっていいはずだろう

 

 

後者がいいな、

死んで恋しがられるなら

いくらだって死んでしまいたいのだけど

それさえもない気がするよ

やっぱり、たまには誰かの一番になりてえなあ

 

いい人で思い出残るのは

とれ高十分だからさ

 

 

ってだめだなあ

欲ってやつはなあ