パッセンジャーズ
好きな人達の好きな部分が霞んでゆく。
好きな人達の好きな部分が沈んでゆく。
好きなのに蔑みたくなる。
好きなのに疎ましくなる。
好きなのに不快で心許ない。
好きな人達を見てると、好きな人達と一緒にいるとそう感じる。
それと好きだから、と。
好きだから離したくない。
好きだから取られたくない。と。
あまりにも自分勝手な気持ちも同時に解りすぎて胸が痛くなる。
伝えないし、言わない。
口にだすのもすごく自信が必要だとわかってしまうから。
今の僕にとって
好きな人の好きだった部分が明るく照らされるだけ落ち込む。
好きな人の好きになった所を他の誰かが同じように気づいて好きになって行けばゆくほど。
僕の吐く息はタバコ臭くなるばかり。
知ってるよ。考えすぎだって。
全部知ってるんだよ、僕はね。
純粋な生き方も円滑な人間関係の法則もね
全部知ってるんだよ、僕はね。
好きな人に嫌悪感を抱いてるのは嫉妬からくる劣等感。
好きな人に嫌悪感を抱いてるのは嫉妬からくる孤独感。
好きな人ゆえ、遠い世界に行っちゃったように感じて、僕はずっと変わらずここにいるのに。って声を出して胸を張りたいだけって
全部知ってるんだよ、僕はね。
そうやって、いつしか本当に遠くに行ってしまう日の事を考えずにね、後回しに生きてきた。
そして、気づく。
今の僕はあのときの僕のままでいられてるけど、あのときの好きな人達はもう今はここにはいられない。ってことに。
抵抗して声を出して向き合うことすらしなくなるできなくなる。
仕方がないと、嘆いて、タバコの匂いで部屋も人生もまわる。
好きな人達の好きだった部分が、嫌いになっていくのが悲しくなるだけ哀しんで。
ドライを装って距離を取るんだよ。
まだ希望をきらさず、未来に自分を存在させようとしてるんだよ。
全部知ってるんだって、僕はね
僕だけが幸せになればいいって考えをね